最強で最高だったあいつ

「みんな海里に近付きたいって必死だったもんね。」


「昔からそうだったのか…」


「女子の追っかけもハンパなかったけど、男子の勢いも凄かったな~」


「海里は、ほんと何処に行っても人気者だったんですね…。」


「でもそのぶん、学校から消えるのも上手かったな。」


「海里さん、消えちゃったんですかっ!?」


「いつ居なくなったのか、わからないくらい自然に居なくなってるんですよね。」


「海里凄いね~」


「俺さ、海里忍者にでもなったかと思ったこともあったよ。」



「忍者…」


みんなは、俺の昔話しで盛り上がっていた


『何がおもしろくて、そんな話してんだ…?』






俺がみんなそれぞれの好みのお酒を持って行くと、お酒も入ったせいか、今度は武勇伝で盛り上がっていた



それから3時間くらい話しは続き、みんなうとうとしてきた


俺は泰志を見て今さらながら、疑問に思った


『泰志…なんで入院中のお前が、此処に居るんだ…?』



そう聞くと、部屋は一瞬シーンとなり、すぐに笑いに包まれた


「確かに、なんで病院から抜け出してんだよ~?」


「あんまりにも自然に溶け込んでて疑問にも思わなかった~」


「病院で看護士さん達が、捜してるかもね~」


『成さんに連絡してみるか…』


「海里んちに、居るってわかったら成さんまで来そうだね。」