「その通り。ハハハハ。本題だ!……どうやら吉野クンはずっと高校では学年トップらしいね?」
「まぁー今のところはな?」
「そして倉橋さんはずっと二位だという話を聞いた。ちなみに今朝見つけたばっかりの情報だ。」
「きっと俺と治斗の話を盗み聞きしてたんだろう……」
自慢気に話す漆原クンを尾田クンが冷めた表情で見つめる。
「何でどいつもこいつも人の順位をほいほいとほいほいとバラしてしまうのよ……」
吉野クンたちが朝話したことから私の悔しき順位が学校中に流れた気分だった。
「その君たちの順位に問題があるんだ!」
「だから……声の大きさ……」
「失礼。」
「早く!それで?」
真子は新キャラの登場が楽しくてしょうがないみたい。目には目を。変人には変人を。
「僕は漆原義信。この学校ではずっと順位が三位だ。」
「……なるほど!」
真子が安っぽい名探偵の様な仕草をする。
「全然なるほどにならない……」
「つまり!漆原クンも紗耶香と同じ立場なんだよ!紗耶香は吉野クンに勝てれば一位。漆原クンは紗耶香に勝てれば二位。」
「ちなみに塾のテストではずっと僕が一位だけどね。」
真子が口元に手を当てたり視線を下に落としたりしながら私たちの周りを歩きだす。その途中でプライドが高い漆原クンがまだ話しだす。
真子は嬉しそうに完璧役に入りきっている。
「超ややこしいな。」
真子の話だと漆原クンも私と同じようにずっと延びない順位に悔やしんでいたんだ。
「あッ!分かった!私良いことを思いついたッ。」
