「そんなに笑えることなの?」
吉野クンはまだ笑いすぎて苦しそうだった。それでそのままの状態で大きく首を縦に振った。
「あいつの弟知ってる?」
「……将也クン?」
「そう。よく知ってるじゃん。」
昨日会ったばかりの将也クンの話を持ち出した吉野クン。
「将也クンがどうしたの?」
「あのね。実はあいつら兄弟そろって熱くてね。将也はいつも勉強ばかりして就也はずっとサッカー命でさ。それ……何かおかしいと思わない?」
「思う!同じ兄弟なのに違うことばかりして。価値観とかも全く違うし。」
吉野クンの話にすごく共感した。
それは昨日私が二人の姿を見て感じた第一印象だった。
正直な話…将也クンが尾田クンの所に走っていった時は本当に?って思った。
「その通り。あいつらあんまり似てないんだよね。性格とかもだけど。兄貴は突っ走るタイプで弟は冷静派。だけど。そんな二人だけど。一つだけ共通点があるんだ。」
分からない私に楽しそうに話すのを進める吉野クン。
「それは……何?」
私の目を一度見てからニコッと笑って吉野クンが答えた。
