「あの…こないだのコンパスのプリント……って?」
「えっ?あぁ。自習の時のプリント?んーっ。別にあれは回収とかはしないけど。」
特に気にしていなかったけどなんとなく聞いてみた。
「……ですよね。」
やっぱり回収しないか。後々回収するとなると面倒だから頑張ってやったんだけど。
「どうかしたか?」
「嫌大丈夫です。あっじゃ失礼しました。」
私はそう言ってコーヒーの匂いがする職員室を出た。
私の心配事なんて所詮こんなものなんだろうな。
必死に考えた結果。必死に頑張った結果。所詮…こうなっちゃうんだ。何か私ってかなりネガティブ思考極めてる?
帰りのホームルームが終わってみんなが教室から出ていった後窓閉めをしながらそんなことを思った。
「あれ?紗耶香チャン?」
「えっ?」
振り向いた先には吉野クンが居た。
「あっそうか日直の仕事?」
「うん。吉野クンは今から部活?」
「当たり。ラストスパートだからみんな熱いよー。」
そう答えながら吉野クンはスポ-ツバックを肩に掛けた。
「熱いか……そう言えば尾田クンもかなり熱いよね。」
「就也?あいつはずば抜けて熱い奴だよ。」
急に吉野クンが大げさに笑いだしたから驚いた。
