その気まずい空気のまま1時間目の授業は始まった。
勿論だけど私は尾田クンのこと。さらに今の真子のことで頭がいっぱいだった。
だから急に先生に問題を当てられた時は肩が飛び跳ねた。問題すら聞いていなかったから答えることは出来なかった。
先生によく集中しろとか倉橋らしくないとかもう受験生だろとか色んなコトを言われて軽く頭を下げて席に座る。
いつもの真子だったら後ろを向いてドンマイと小声で言いながら微笑んでくれる。
それが真子。
だけど今日の真子は一度も後ろを向かなかった。例え授業中でも気にぜずに私にたくさん話し掛けてくる真子。
「…。」
それなのに今の真子は全くそんな雰囲気じゃない。
真子が真面目にシャーペン持ってノートに黒板の文字を写す姿なんて……似合わないよ。
私の心のなかは災厄だった。まさに悪循環にはまって悪いことばかりを考える。
もし……もしも尾田クンとあのまま話せなくて謝罪をすることが出来なかったら。
私は尾田クンを一生。一生傷つけたまま?
もしも真子がこのまま何も私に話し掛けてくれなかったら。
私は高校生活で一番大切な親友を失うの?
