「何でだよ?分かってんのかよ!当日まで日にち少ないんだよ!種目を決めてからじゃないと練習だってできないじゃんか!」
「えっと……」
「放課後は部活の練習がある奴もまだたくさんいるんだよ!だから自習の時間くらいしか使えないんだよ!」
「その通りだけど……」
「だけどなんだよ?」
尾田クンが階段で立ち止まって上から見てくる。すでに荒ら口調になっているのが分かる。
何で?何で……いきなりそんな目になるわけ?さっきの温厚な尾田クンと違う。
私そんなに悪いことした?
身体中から焦りと怒りが混ざって出てる。
「私……球技とか嫌いだから。大体…たかが球技大会でしょ。たかが学校行事じゃんか!それに…」
自分の口から出る言葉はどれもよい言葉じゃなかった。言っちゃダメ。止まらなくなる私の口。頭から足の爪先まで赤くなる。持っているカバンを強く握る。
「…。」
まって……我慢して私の口!私の心。押さえて!
「そんなのに……そんなのに熱くなってるの尾田クンぐらいだし!」
