‐やっと見つけた、オレの羽根‐


遠くから、キラの声が聞こえた気がした。

さっき考えないって決めたばかりなのに、かなり重症みたい…。


‐ユイ‐

名前を呼ぶキラの声が耳から離れない。

なんとなく空を見上げると、フッと夕日を遮る影。

『やっと見つけた、オレの羽根。』

そう言ってニコッと笑うキラ。

驚きすぎて、何も反応できない。


『ユイ、ごめんね。』


呆然とする私を見て、ちょっと困ったような顔をしてる。

『どうして!?急にいなくなるなんて…。』

涙で言葉が最後まで続かない。

羽根のこと、どこにいたのか、なんで急に姿が見えなくなったのか…聞きたいのに声が出ない。

『オレね、片翼を無くして色んなユイに会って、心を持つことがどういうことか本当の意味が分かった気がする。
人を愛して優しくしたり、誰かのために自分を犠牲にするだけじゃなく、相手のために怒ったり、泣いたり。今のユイに会って、特に思った。
…でね、好きになっちゃったみたい。』

ちょっと照れ臭そうに笑う。


『ま、待ってよ!ユリアは?!ユリアはキラのために…。』

キラの顔がくもる。