その日は、明日笑ってカナエに会うために、1人の時間が欲しくて、嘘をついてカナエとは一緒に帰らなかった。

隠し事をして…

嘘をついて…

カナエは大事な親友なのに…


いつもと違う道を帰る途中、大きな木がある野原があった。

初めて見たのに、なんとなく懐かしい気がして、木に近づいてみた。

ユリアとキラが出会って別れた場所に、なんとなく似てる。

木の下に座り、またキラを思い出す。

そして、また涙を流す。

もう考えないようにしようと思ったのに。

こんな自分がイヤでしかたない。

カナエに心配かけて、自分のことばっかりで、いつまでもウジウジ考えて。


やっぱりやめよう。キラのことは忘れよう。

明日は笑わなきゃ。

そう決めて、涙を拭き、立ち上がった。