片翼の天使(短)

キラがいなくなった日から、普通な毎日に戻った。

まだ、たったの3日。

私には何年も前に感じる…。

理由は分からないけど、出来れば“ばいばい”くらい言って欲しかった。

あの日‐。

キラと海に行った日。

キラが“ユリアに似てる”て言ってくれた時、凄く辛かったけど、少しホッとした自分もいた。
ユリアに似てるなら、少しは特別に思ってもらえてるかなって。

でも違ったんだね。



『ユイ、最近元気ないよね?なんでも話して。悩みがあったりしたら、前は言ってくれたじゃん。』

カナエが心配そうに言った。

『大丈夫!ごめんね。最近寝不足だから、ちょっとテンション低くなってるだけ。今日は早く寝るから、明日は元気になってるよ!』

精一杯、明るく振る舞ってみせた。

『本当?私には本当のこと話してね!』

『ありがとう。でも、本当に大丈夫。』

ちゃんと笑えてる気がしないけど、笑ってみせた。

ごめんね。でも、言えないんだ。

キラを“知らない”カナエに、どう話していいかも分からない。