『私の前世って、キラに何を言ったの？』

前世も気になるけど、言った言葉は更に気になる！

『本当は前世のことは教えちゃいけないんだけど…。俺にキラって名前をつけた前世のユイは、殿様の娘で、民を大事にする優しい人だったんだ。でね、凄く大切な人がいたのに、民を守るために会ったこともない人と結婚することになった。その時に“どうして知らない人と結婚するの？”て聞いたら“民を守るため”って言って笑うんだ。“でも、本当に結婚したい人がいるんでしょ”て聞いたら“その人は大丈夫。自分がいなくても幸せになる力を持ってるから。でも、民は私にしか幸せに出来ない。だから、私は結婚する。大切な人を守るためなの”て言ってた。大切な人を守っても、守られた方が、それを望んでないかもしれないのに。もしかしたら、ユリアは同じ想いで犠牲になったのかなって思ったんだ。俺は守られたいなんて望んでなかったのに。それが理解出来るまで、羽根は戻ってこないんじゃないかな。』

キラは真っすぐなのかな。私には私の前世の気持ちも、ユリアの気持ちも理解出来る。

でも、言えない。その気持ちを言葉にして伝えるのは難しいし、伝わったとしても、その時はキラがいなくなる時だから…。ズルイ…私。