『そうなんだ…。でも、信じて動いたとしても、私1人が何かしたくらいじゃ、何も変わらない気がするんだけど…。』

キラがニコッと笑って言う。

『目に見えてる範囲では1人かもしれないけど、ユイみたいに1人で頑張ってる人が、地球の裏とかに何人もいたらどう?最初から1人だなんて思って何もしなかったら、変えられるものも変えられないよ。』

なんだかキラの言葉って、胸に響く…。

『そうだね。何が出来るか考えてみようかな。』

私も笑って見せた。

『うん!そう思えたなら、ユイも特別な人になれたよ。』

そっか、そんな話から始まったんだっけ。

『そういえば、ユイの友達が言ってた“特別”て何?』

ドキッとしちゃった。

『えっと…。キラにとってのユリアかな。』

言いたくない名前。

『あぁ、そうなんだ。じゃあ、特別じゃなくて、大切な人…かな。』

今までみたことない顔。ユリアに微笑んでたキラの顔。

『そうだね…。』

それ以上言葉にならなかった。


いつの間に、こんなに愛しくなってたんだろう。会ったばかりなのに。