沈黙。

『あのさぁ、寺島く。昨日のテレビの影響…かな?』

カナエが沈黙を破る。

『え?特別な人の話を聞きたかったんじゃないの?』

なんか、話が噛み合ってないよね。

『ちょっと来て!』

今度はキラの手を取って走り出す。

人気のない所…。屋上!

『ねえ、さっきの特別とかなんとかって話。普通に人に話していい話なの?』

着いて早々問いただす。

『うん、別に上界の話じゃないしね。どうしたの?慌てすぎでしょ。』

気が抜けた。そんなに簡単なのかな。天国って、結構アバウト?

『そういえば、昨日のテレビって何?』

キラはテレビは見てないのかな?そういえば、家があるかどうかすら知らないんだよね。

『昨日のテレビで預言者の地球滅亡説みたいなのをやってたみたい。だから、カナエはキラが話す特別な人を、そういう人って捉えたみたいだよ。』

よかった、昨日の特番があって…。

『なるほどね。でも、間違いじゃないよ。預言者も特別な人。神様が下界人に与えるチャンスみたいな感じ。預言者が見たビジョンは間違いなく事実だけど真実じゃないんだ。言葉違うかな?ま、預言を聞いて、皆がどう動くかによって、未来は変わるんだ。滅亡させない…とかね。』