『おはよう!』

クラスに入ると、昨日に引き続き女の子に囲まれるキラ。

そういえば、キラって家はあるのかな?

…空、かな。

『ユイ、おはよう!』

気付くと目の前にキラがいた。

『おはよう。』

スッゴい笑顔で話し掛けて来たから、ちょっとドキッとしちゃった。

『ねぇ、寺島くん。寺島くんの特別な人って誰?!』

真剣な顔で突然話し出すカナエ。

『ちょ、ちょっとカナエ!何言い出すの?!ごめんね。』

思わずカナエの手を取って教室から出る。

『変なコト聞かないでよ!本当に勘違いだから!好きとかじゃないの!』

最悪。

『だって気になるんだもん!気になったらソッコー聞かなきゃ!』

私と違って勝ち気なカナエらしい行動。

『気になっても聞いちゃいけないこともあるでしょ。』


『うん、確かに“誰?”なんて、答えられない質問だね!』

え?
後ろから、キラの声。

『特別な人って、神様から特別な使命を受けて生まれてくるんだ。そういう人って、特別な能力を持ってたり、周りと違う力を持ってるから、人より特別なことも出来たりする。うらやましいと思われるけど、その人は皆の信頼を得て周りを動かし、導かなきゃいけない。大変なことだよね。』