私の話を聞いたカナエが、驚いたような顔をして言う。

『待って!特別な人って…寺島くん会ったばっかの子に、そんな話までしたの!?それって、ある意味、ユイも特別扱いじゃないの!?』

そっか…訳を知らない人としてみれば、そんな踏み込んだ話されるのは、確かに特別扱いに感じるかも。

『ち、違うのっ!彼の特別な人に私が似てるって言われたの!
でも、見慣れたら全然似てない…みたいな感じだから、別に特別なことなんてないよ!
それと、私が話し掛けたのも、どこかで会ったことある気がしたからで、深い意味はないの。』

ユリアって人、なんとなく私に似てたし、嘘は言ってないよね。

でも、なんで国が違うのに似てるなんて思うんだろう…。


『なんか、ボ~っとしてない?』

カナエが顔の前で手を振ってみせる。

『うん、ちょっと、お腹空いたなぁ~って(笑)』

また微妙な言い訳。

『嘘だね!ユイ顔に出るからすぐ分かる。考え事してたでしょ?寺島くんに特別な人がいても、もしかしたらチャンスはくるかもだよ!頑張ってみなよ!』


必死なカナエを見て、つい笑いが込み上げた。

『大丈夫。まだ好きじゃないから。でも、本当に好きになったら、相談にのってね。』