帰り道。

帰りはカナエと一緒。

『ねぇねぇ、今日、寺島くんと何話してたの??』

やっぱり聞かれた。

『学校の中を案内してただけだよ。』

苦しい言い訳。
出来ればカナエには本当のことを言いたい。でも、キラが天使だって言っても、今朝みたいに笑われちゃうだろうし、凄く大切な想いを持って現れたキラを笑われるなんて…。

『またまたぁ~!廊下でいい感じだったの見た子いるよ!あたしも日直じゃなければ追い掛けたのに~!見たかったぁ~。
でも、男子が苦手なのに寺島くんは大丈夫ってことは、まさに運命の出会いだね!頑張れよ!』

そう言って、カナエが背中をポンッと叩いた。

『確かに普通の男子とは違うかも。なぜか安心出来るんだ。手もね…キラのは怖くないんだ。』

キラに対して感じたことを素直にカナエに伝えた。

『なるほどね。うん、やっぱり寺島くんには出会うべくして出会った感じするよ。だって、会ったばかりで安心出来る人なんて、普通いないでしょ?』

カナエの問い掛けに言葉がつまる。

『だって、キラには特別な人がいるんだよ。だから、恋愛感情は持たないし、持たれない。
そっか、だから逆に安心なのかも。』

自分に、ブレーキをかけた気がした。