異世界

公園を出て少し歩くと見慣れた家が見えた。一瞬家に入るのを迷ったけど、お父さんが寝ていることを祈ろう。


ガチャッ


「………え?」




靴?女の人用の靴が置いてある。しかもよく漫画に出てくるような赤のハイヒール。

お父さんはお母さんと別れてから酒を飲むことはあっても女の人を連れてきたりすることはなかった。




私は乱暴に靴を脱ぎ捨てて奥の居間に向かう。
「お父さんっ!誰よその人。」


あっと声を漏らしたお父さんを睨みながら階段をかけ上がって自分の部屋に入る。



今更だけど、自分から聞いといて答え聞かないで上がってきちゃった。
まぁいっか。お父さんが悪いんだし。















――――――全部お父さんが悪い。