その日の放課後、あたしは“居残り"を守るわけもなく、教室を出て武道場に向かった。 部活中なら先生も引き止められないはず。ちょろいちょろい。自然に顔がニヤつく。 若干浮かれながら武道場に向かうあたしの背後から、 『小川、居残りのこと忘れてないよな?』 と永瀬(先生)の声。 .