美咲が走り去った後もまるで何かに支配されているように、真希は少しの間その場から離れられなかった。

いなくなった美咲のあとを2人は眺めている。

止まった時を戻すかのように、あたしは真希の肩をギュッと抱きしめ、

『真希はえらい。えらいんだよ。こんなにも誰かを好きになれるじゃん』

と大袈裟なくらい肩を揺さぶりながら、笑って見せた。

真希の肩に麗奈の優しさが伝わる。


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