声と共に現れたのは、やはりあの男……。相変わらずほぼ裸である。


そして、榎藍の姿はない。もう…認めなければならないのだろうか?


そんな私の戸惑いに気付いたのか、ニヤリッと笑いながら近づいてくる。


「来るな!!」


後ろに行こうとしてもここはベッドの端で逃げ場なし…。


絶対絶滅まさにこのこと………


ついでに手を押さえられてろくに身動きできない状況におちいってしまった。


また顔を近づけてくる。


キスされる…!?
目をギュッと固くとじたけどそんな感触はこない。


あれ?と思ったのもつかぬ間に耳に淡い吐息を感じてまたギュッと目を閉じた。



「俺は……。榎藍だぜ。」


あいつの声が耳の中でこだます。