痺れを切らしたのか、先程までの会話を聞き、若干呆れ気味の紅和人が口を開く。


「綾瀬、木戸先輩は高校生であり三年生でお前の先輩だ。」


え?


え?


えっ!?


えぇええええええええええ!?


「せっ先輩だったんですか?わっわっすいません悟くっ、木戸先輩!!あまりにも可愛い方でしたんで、なんといいますかっそのっ」

「かっ可愛い…ちょっと複雑だな。」
ガーンと再び落ち込む木戸先輩。


「まっ間違えました!とても男らしくかっこいいです!」
これはまずいと牡丹は必死にフォローしてみる。


「はっ男らしい?女々しいの間違えじゃないか?ははっ」



ちょっ、黙っててよ赤髪のっぽ!!
これ以上この場を悪くしないでよ!


赤髪の男を思わず睨む…が、彼は何故か顔を赤らめる。


「そんなに見るなよ…。俺に惚れるのも分からないことはないが…」


…何を言っていらっしゃるのでしょうか。
ああ、この人はきっと馬鹿なんだ。そうだ。
私はあなたに惚れていません。
これからもきっと惚れることはないでしょう。


「咲夜先輩、綾瀬にまだ自己紹介されてないでしょう?したらどうですか?」
紅の声が話題転換の役目をしてくれる。


紅会長ありがとうございます!
牡丹は紅のことを心の中で感謝した。


「あぁ、そうだったな。俺の名前は桜庭咲夜(さくらばさくや)三年だ。生徒会内では副会長をやっている。悟とは同じクラスで部活も一緒でバスケ部だ。宜しくな。」

「よ、宜しくお願いします。」
この人も生徒会の人だったんだ…。