一体何がどうなっているのか分からない。
ただ分かることは、今竹刀を突き付けてくる人の殺気がすごいということ。


怖い…
私まさか殺されちゃう?

額からは大量の冷や汗がでる。

するとスッと顔の真横にあった竹刀がひっこんでいった。


あれ…助かったの?

牡丹は横を見ようと顔を動かそうとするが
それも竹刀を突き付けてきた人によって制される。


「こちらを見るな。竹刀を下げたのは、お前に殺気がないからだ。お前を信じたという訳ではない。お前、名はなんと言う?何故生徒会室に入ろうとした?正直に言え」

とにかく竹刀の持ち主の殺気はこの上ない。
牡丹は恐怖心でいっぱいいっぱいであった。



「一年一組綾瀬牡丹っ…。
先生に生徒会に入ってくれと頼まれ、ここまで来ました」


私の名前を聞いた瞬間、竹刀の持ち主は「あぁ」と何か思いついたようで、
彼の殺気は一気に引いていった。


「すまぬな。先生からはすべて話は伺っている。すまぬな、怖がらせてしまって…。」


先程とは異なり隣からは優しい声が降ってくる。


もう隣見ていいのかな?
いやけどまた竹刀を突き付けられたら嫌だし…。
でも見てみたい…

「あっあの、もうそちらを向いてもいいでしょうか!?」

「ん?あぁ、構わぬぞ」


おそるおそる顔をだんだん彼の方向へと動かす。


「っっ!!」