場を戻すかのように一度こほんっと咳をする。


「とっとりあえず。生徒会に入ってみようかな。私、今まで上にたったり、
何かに没頭するってことがなかったからいい機会かもしれない。」
 

ずっとずっと勉強一筋だったから…。
本当は生徒会長のことも少し気になるんだけどね。
楓に今言ったらからかわれそうだから言わないけど…。


「よしっ。そうと決まれば早く出さなくちゃね!放課後ついついってあげたいんだけど、バイト入ってて…ごめんね?」


 そっか、今日楓バイトだったっけ?確かメイド喫茶の…

「ううん。一人で大丈夫だよ。ありがとう。」



キーンコーンと授業開始の合図がなる。
またねといって楓が自分の席に戻ると
牡丹は少しぐしゃぐしゃになった紙をポケットに入れる。
何故だか分からないけど、放課後が少し楽しみになった。



時はあっという間に流れ放課後となる。


楓はバイトへ向かい、牡丹は今生徒会室の前にたっている。
 


ついにきちゃったよこの時が!緊張する。
何て言って入ればいいのかな?
清楚系?元気系?それともお色気オネエさん系?
…最後は私には出来ないな。色気がないし。
悩んでいても駄目だし普通に入ろう、そうしよう。




覚悟を決め、ドアに手をかけ開けようとした時。



「お前見ぬ顔だな…。生徒会室に何か用でもあるのか?」


―私の顔の真横に竹刀が突き付けられる…