「―それで何か悩んでいる様子だったけどどうしたの?」


そうだ。楓ならこの高校にお兄さんがいるし、
生徒会のこと詳しいかも…聞いてみよう。


「あのね、実は先生に生徒会に入ってくれって頼まれて、
ずっと入ろうか迷ってたんだけど、生徒会が具体的どうゆう事をするのかも分からないし、どういう人がいるのかも分からないしから、よかったら楓教えてくれないかな?」


 知ってから決めるのもいいよね…



「生徒会ってあの生徒会っ!?楓も具体的に何をしているかは分からないけど、
生徒会長はすごくかっこいいって噂だよ!」

楓は鼻息を荒くし、急に目を輝かせた。
 か、楓がすごくいきいきしてる!

「そっそうなんだ?」

「うん!二年の先輩何だけど、剣道部で去年の全国大会では優勝してるんだよ!しかも頭もいいんだって!すごいよねっ。一回だけお兄ちゃんに写真見せてもらったんだけど、アイドルになってもいいくらいかっこよかった!」

「へっへぇ~」

 私も普通の女の子だ。かっこいいと聞くと興味が湧くもので…

「ねぇねぇ。牡丹ちゃん入りなよ!牡丹ちゃんなら頭いいし、きっと大丈夫だよ!それに、牡丹ちゃんが入れば私も先輩とお近づきになれるかもっ」


「…本当はそれが目当てなんでしょ?」
「えへへ~バレちゃった?」

楓は舌をだしにこっと笑う。


 生徒会に入るのは乗り気じゃないけど、楓が少しでも喜ぶなら…
 でも私ずっと女子校で男の人と接点はおろか、話したこともあまりないし…。
 やっぱり怖いかも…。


より一層眉間にしわをよせる牡丹に気づいた楓が口を開く。



「牡丹ちゃんが悩んでいること分かるよ。でも大丈夫。先輩女の人に無関心らしくて、女性と付き合った時ないんだって。だから、間違いはないと思うよ。」


「へぇ、そうなんだぁって間違い!?そんな事元から気にしてませんっ」


顔をタコみたいに赤くする牡丹。
そんな牡丹を見て楓は「あれ?違うんだあ~」とからかってみせた。