「えーっと、10桁の番号だよな」





風呂上り。携帯片手にリビングのソファーに座り早速、今日要から聞いた話を実行していた。





『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』

「…ま、そうだよね」





期待していなかったのか、たいした落ち込みを見せず紅音は通話を終わらせたが、ふと思い立ち電話帳を開いた。開いたページは、紫音。





『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』





先程と同じ機械のような声の受け答えに、自嘲気味に笑みを零して今度こそ携帯を手放した。