休日。昼前に目を覚ました紅音はインスタントコーヒーを用意して、郵便ポストから取ってきた新聞を読んでいた。国会がどうの、誰が結婚したのから、強盗事件や殺人事件など物騒なものまで報せる中、紅音は興味深い記事を見つけた。そこには、紅音が住む町の総合病院から、夕刻、強い光が発せられたとのこと。原因はわかっておらず、SFかと騒がれているようだ。

もしかしてだけど、ロゼと何か関係あるのか…?

ずず、とカップに口をつけてコーヒーを啜る。昨夜はロゼの様子も少し違和感があったし、ロゼの国から知人も来ていたと言っていた。





「……あれ?」





ふと、思い出して顔を上げた紅音は、家具だけが存在するがらんとしたリビングを見つめた。





「ロゼは?」