王宮眷属の証でもあるケープを羽織ったエイは、瑠璃の勤め先でもある侯爵夫人の屋敷を訪れていた。
「ありがとうございます侯爵夫人。助かりました」
「いいんだよ。こっちもちょうど瑠璃を使いにやろうかと思っていたところだったからね。その代わりのようなものさ」
侯爵夫人は「それより」と羊皮紙に青インクのペンで流れるようにサインをした。
「いったい、王宮眷属であるお前が何をしに?わざわざ私から依頼を受け取ってまで…王宮の奴には知られたくない事情でも?」
「そのようなところです。バレたら後が怖いので、一応理由は作っておかなくては」
「賢明な判断だな……ほら。これでいいかい?」
「…はい。ありがとうございます」
受け取った羊皮紙を満足そうに見つめてエイは、その場で陣を展開させた。
「それでは侯爵夫人の願い、このエイ・マリアが叶えましょう」
優雅に一礼したエイは陣の中へと消えた。
「変なところがしっかりしているな」
きっちり挨拶をしたエイに苦笑を漏らした。

