店から出たロゼとエイは瑠璃と共に屋敷までの道程を歩いていた。
「そういえば、王宮の方はどうだった?確か行ったんでしょう」
「お小言だよ。あ、お前もどうせ暇なんだろうから手伝えだそうだ」
「相変わらず失礼なやつら…暇になったって手伝うものか」
あとは曲がり角を2回ほどというところで、ロゼの右腕にあるブレスレットの飾りが淡く光った。驚くことなく三人はオレンジの光を放つそれを見る。
「また同じやつか?」
「うん」
「…いいんですか?」
「…ちょっと考え中」
虹色をした鉱石の欠片が樹液で固められたその飾りを、太陽の光にかざしながらロゼは難しい顔をする。
「でも、信じてないんだろそいつ」
「半々、てところ」
「そんなやつ、俺なら無視だけどな。お前もそうだろ」
「けど、想いは本物だよ。だから石も反応してるし」
困ったように、溜息してロゼは飾りを指ではじく。
「…だったら」
「「?」」
「とりあえず、会ってみたらどうですか?違反には触れていないはずです」
瑠璃からの提案に、ロゼはエイと顔を見合した。