「──今、全部言った事は、ハッキリとした証拠にはならない。」

僕の深読みと言われてしまえばそれまでだが、反応からして多分間違いは無い。

「だけどお前の口から聞きたいんだ。お前、梅子なんだろう?」

今なら理解る。

絵夢と居ても妹の事を思い出さない理由が。

僕は今まで、その本人を目の前にしていたからなんだ。

絵夢は、観念したように口を開いた。

「お兄ちゃんは、どうしていつも私を見付けるの早いのかな……。手紙……出さなければ、怪我もさせなかったし、ここまで疑われなかったのにね……。」
「梅子……。」

絵夢は、遂に梅子である事を白状した。