室井さんと別れてから、家に着く頃には十二時を回っていた。

もう母は眠ってしまっているだろう。

僕は手探りでポストを漁ると、投函されていた何通かの手紙とチラシを手に取り家へ入って行った。

僕には関係無い事なので、眠る時は家中真っ暗になっている。

いつもは明かりを点けて待っててもらっても構わないのだが、今日は事前に遅くなる事を告げていたので、そのような手筈になっていると思う。

部屋に着くなりシャワーを浴びるのが面倒になった僕は、寝間着に着替え、今日来ていた郵便をテーブルに置こうとした。

その中の一通。

妙な違和感がある。

よく調べてみると封筒は、

(点字?)





オニイチャンヘ。





と、読めた。