注文した品が机に並ぶと、室井さんは「美味しそう!」と感嘆の声を上げ、「さぁ召し上がれ」と偉そうに薦める僕の合図で、僕達は食事を始めた。

通いなれた店の食事とはいえ、口に運ぶ時は慎重になってしまうが、ゆっくりとフォークを回してパスタを口に運ぶ。

一人で食べる時と違い、誰かが居ると食事もより美味しい。

僕より上手にスプーンとフォークを使って食べる様子が見れなくても、きっと喜んでもらえているに違いない。

こうしていると……。

また梅子を思い出してしまう。

僕が室井さんに妹の影を重ね過ぎているからなのか。

美味しい美味しいと、一口運ぶ度に悦びの声を上げるその雰囲気が……。

どうにも妹とダブってしまうんだ……。