絵夢と出逢ったあの日。

彼女は出勤しようとしていたお店に休みの電話を入れると、僕を連れ回し、居酒屋三軒ハシゴした。

アルコールは駄目だと言う僕を無視して、滅茶苦茶な扱いをされる内に記憶が飛び……。

気付いた時には彼女の家のベッドで裸で寝ていた。

混乱する僕に、絵夢は一言、

「意外に凄いんだね。」

と、赤面を越えて爆発しそうになるような台詞を吐き、今度はお詫びじゃなくて、責任を取る羽目になった。

こんな筈じゃなかった。

こんな筈じゃ…。

意気消沈する僕は、大事な法事にも遅れてしまい、親と親戚一同から顰蹙を買ってしまった。

酒臭かったし、まぁ最悪だ。

頭も痛かったし、余計憂鬱になった。

そして、今夜。

再び絵夢と会う事になっているというのが、また追い討ちに近いものがある。