僕の耳には、今でも梅子の声が離れず、片時も忘れた事なんか無い。

もしかしたら、ひょっこり帰ってくるのかも……なんて淡い期待も抱いたりした。

妹はあの時言った。

「またね」と。

だからいつ戻ってきてもいいように、梅子の部屋はそのままだし、食事の用意もちゃんと余計にしておいてある。

だから……生きているなら……早く帰って来いよ……梅子……。