何もかも信じられないまま、結局言う通りにする事にした。

僕らの連絡を受けた警察は、当初犯罪性の無い普通家出人ではないかと決め付けた。

しかし、これまでの経緯と突然の失踪は合点がいかない。

警察に事情を訊かれ洗い浚い話した後、必要な書類を提出、やや渋られたものの、警察は事件性有りと断定。

梅子は特定家出人として捜索される事になった。

争った形跡も無く、忽然と姿を消した梅子だったが、失踪から数日経っても連絡は愚か、手懸かりは一切無しという事と、あんなに頑張って入った学校を捨て、自らの意思で居なくなったとは考えにくいという僕ら家族の訴えが受け入れられた結果だ。

しかし、警察の捜索活動も虚しく、梅子は見付からなかった。

駅前で家族皆励まし合いながらビラを配ったりもしたが、有力な情報は得られないまま時は過ぎ……。

家庭裁判所から失踪者宣告が出される七年の月日が経った。