ある時こんな事があった。

僕は、溜まりに溜まった苦悩を母に酷い言葉でぶつけた。

「何が、『尚も輝くように』だ!僕は……僕は朝日さえ拝む事すら叶わないじゃないか!」

罵声を浴びせた瞬間、僕に母が平手を打った。

ビックリした僕が頬を押さえてキョトンとする。

嗚咽混じりに、母は言った。

「何情けない事を言っているの……?貴方に付けた名前は間違いじゃない……光が見えないなら……貴方が輝けばいいじゃない……。」

その言葉に、ガンと頭を殴られた気がした。

と、同時に今まで抑えていた色んなものが溢れだし、止まらなくなり母に抱きついて謝った。

そりゃもう必死に。

ごめんなさい、ごめんなさい。

僕が馬鹿でした……。

それから僕は変わった。

いや、変わる決意をしたんだ。

目が見えないからなんだ。

他の奴と、それ以外で劣っている事でもあるというのか。

必死に勉強したし、ハンディを物ともしない勢いで精一杯生きた。

両親のお陰だ。

僕には誇れる名前があったのだ。

後は名前に負けないように、頑張るしかないと、そう思えるようになった。