「ちょ…何する気っ? ここ学校だよ!?」


キス寸前まで詰められた距離。
背中にはフェンスで逃げ場がない。


まさに絶体絶命っ!!


それに、もし他の生徒が入ってきたら……。
確実にあたしの高校生活終了だよ――…。

そんなことを考えると、サァ――っと青ざめるのが自分でもわかった。


「ね、ねぇ……わかった。お弁当作るから! だから、どいて?」

「ダーメっ。時間切れだって言っただろ」


パシッと両手を取られ、頭の上へと上げられる。
ニヤッと、怪しい笑みを浮かべる。
まるで悪魔だ。


「お仕置きタイムの始まりだ。倒れんじゃねぇぞ?」

「えっ……、んぅ!?」


耳元で悪魔に囁かれた。
と、同時位に唇を奪われてしまった。


「……んっ…ふぅ…、っ…」


この前の一瞬のキスとは違って、噛みつくような、激しいキス…。

息をするな、と言うように、呼吸をする隙を与えない。


……なに、このキス…。
コイツの事は大っ嫌いだし、ちっとも嬉しくないはずなのに――……。



「…ふっ…んんぅっ……んっ!?」


少しでも酸素を取り込もうと、唇をちょっと開いた瞬間に、スルっと悪魔の舌が侵入してきた。

逃げようと必死のあたし。
でも、悪魔はそれを許してくれない。


逃げようとすれば、すかさず絡め取られる。


「……んん……っ……」