真色ーシンシキー




…もう少し、しっかりしてほしいと思う。


自転車を走らせながら、天堂六唯は考えていた。


美白は六唯より、2歳年上だ。いま現在中学3年生である六唯は中等部、美白は高等部に通っている。



…だというのに。



美白はいつまで経っても、何だか危なっかしい。


ふわふわしてるというか、頼りないというか


要するに心配の種がつきないのだ。



(なくせ、ってわけじゃないけど)




事実、美白のそういう部分を一番許しているのも彼だった。


彼自身、それはそれでいいと思っていたし、美白がそのままでいてくれればよかったからだ。



…嫌いじゃない。




”ただ”…



「…………。」


呑み込んだ言葉の先を、うまくあらわすことはできなかった。