真色ーシンシキー

転んだ頭に声が降ってくる。


この声はー


「六唯ちゃんっ!」

突然の登場に、美白は思わずたじろいだ。

六唯は美白と乱暴に開け放たれた様子の扉とを見比べて、

「いつまでも来ないと思ったら…戸が開かなかったのか」

「あ…うん。ちょっとご機嫌ななめだったみたいで」


力なく笑う美白を見て、彼ー天堂六唯(てんどうりくた)はため息をついた。


「とにかく、早く行かないと学校遅れるから」