真色ーシンシキー

といっても、別に遅刻だったわけじゃない。


本鈴のチャイムもまだ鳴っていなかったし、時間も過ぎていなかった。


…のに。


「よかったー、まだ鳴ってないじゃん」

「………。」


六、と話し掛けようとしたとき、急に六唯が立ち止まった。



……?


「六?どうし…」


そこまで言いかけて、僕はようやく前方にあるものに気付いた。



「…げ」


あとはもう、不満を漏らすぐらいしかできなかった。








まさか今日が”アンラッキーday”だったなんて…。