真色ーシンシキー

キーンコーンカンコーン


キーンコーン…



遠くから鐘の音が聞こえる。朝の本鈴だ。



「六唯ちゃん、間に合ったかなぁ…」


外を眺めながら呟いた。



中等部と高等部では朝の登校時間が違う。


しかもいくらか中等部の方が早いので、毎朝姉を送る六唯にとっては大きな負担かもしれなかった。




…それに加えて。




(今日はわたしが遅れちゃったし…!)



いくらそれが扉のせいであるとはいえ…


………。


…決めた。



(今日、ちゃんと謝ろう…!)







本鈴が鳴る。

先生が入って来て、大半の生徒たちは慌てて席についた。



何気なくそちらに目を向けた美白は、先生のすぐ後ろにいる人物に気がついた。



黒いー…。



「転校生を紹介します。」




「神乃恵真色くん」












「…あのね?今日夢を見たの」




「真色くんの夢ー」