真色ーシンシキー

同じように返すと、九は木から降りてくる。


「…おはよ」


「珍しいじゃん」



…何が?



「六がこんなに遅いなんてさ?」



何だか少し困ったように言われた。



ずっと待ってくれてたのか。



………。



…この木の上で?




「いや別に…。ごめん」


…とりあえず言わないことにしとこう。


「?」

九は少し不思議そうな顔をしていた。




行来宮九重(ゆきみやここのえ)。

一応、同じ火伽(ほとぎ)学園の中等部に通っている同級生。九重とは初等部から一緒で、クラスもほとんど変わったことがない。





友達…だと、思う。