ここではあたしは必要とされてる・・
それが嬉しくて幸せだった。
ただ女癖が悪くて、浮気はしているけれど最後にはあたしの元へ帰ってくる。
そう思っていたのはあたしだけ。
本当はあたしが浮気相手、二番手だった。
考えれば分かることだったのに・・。
必要とされている喜びに意地になってしがみ付いて、
「好き」って言う気持ちは後回しになっていたのかな。
まだ座り込んで考えているあたしの頭に、優しい声が降ってきた。
「じゃぁさぁー俺のために生きてみない?」
「へっ?」
何を言っているのか分からなくて、とりあえず聞こえなかったフリをした。


