「結乃ちゃん、キミ若いのに横断歩道で人生諦めたりしていいの?」




そんな優しい目で見ないでよ・・。



思わず視線を逸らした。





「家族や友達、それに彼氏が悲しむよ?」



「そんな人いないよ・・。

あたしはもうどこにも、帰れない。

何のために生きているのかも分からない」


そう言って冷たく笑った。






彼氏・・あたしの大好きだった人。





高校生の時、友達の紹介で知り合ってすぐ好きになった。




危険な男だってことは言われなくても分かっていた。




高校を卒業して、家に居場所がなかったあたしは強引に彼の家で同棲を始めた。