もう一度目を閉じようとした時、「大丈夫?」と声がした。
「危ないでしょ!
こんなことしたら!!」
優しい言葉とは、裏腹に怒っている表情。
短めの髪を、ワックスで逆立てている。
今風の若者スタイル。
冷静にあたしは、あたしを助けてくれた人を観察した。
助けてくれた・・は可笑しいかな。
あたしは死にたいのに。
「名前は?」
「芦原 結乃(アシハラ ユノ)」
「年は?」
「19歳」
怒っている表情であたしを見るけれど、目の奥が優しくてムリして怒っているようにも見えた。
そのせいかあたしは、尋問みたいな質問に素直に答えていた。


