真夜中。 こんな時間に誰もいないはずなのに。 あたしの体は空にではなく、誰かの腕に包まれている。 トクン・・トクン・・ あたしの音? 違う。 あたしを包んでいる人の生きている音だ。 あたしは、どうやら死ねなかったみたい。 次に目を開ける時は、天国にいるのかなと思っていた。 でも今こうやって包まれている時間が、あたしにとって空にいるような気がした。 何も考えなくていい。