小さい頃から緊張したことなんて
全然なかったのに、


人と関わることはいつも冷静でいられない…



私の良くないところだ


どうにかして、これを直したい…






彼女たちの背中がだいぶ近づいた




彼女たちの会話が聞こえる



「ねぇ…、あの特進クラスの咲坂くんって超かっこいいよねっ」



「やばいよね!

でもクールっぽいし、女に興味なさそうじゃない?」



「えー?そうかなぁ、

…まぁ確かにちょっと冷たそうだけど…」





咲坂?誰それ…、特進クラス…
ふぅーん。後で調べてみるか…




また、少しずつ、距離を縮めていく



「クールと言えばさぁ、うちのクラスにもいたじゃん!

なんか話し掛けづらいオーラ出してる人!」





どきんと、心臓が破裂しそうだった




「あぁ…、沙田ってコ?

確かに…あのこもかなりクールだよねぇ、

いつも本読んでて、進んで独りになりたいって感じだよね。

目もつり目でキツいし」




あ、…私のことだ




足が動かなくなり、歩いてゆく彼女たちと

距離が広がり始めた





「私はああゆうこ、好きなんだけどね」



「えー、じゃあ話し掛けてみなよ」



「あはは、冗談だよ!

ああゆうこ、マジ勘弁!」



キャハハと笑いながら歩く彼女たちの
背中を見ながら、


私はその場に立ち尽くしてしまった