エールミー!



***



「ん、わかった。はい。じゃあ」


保健室


陸先輩は部屋の窓側に立ち、
携帯を閉じた




「理乃、用心あるから先に帰るって」


「あ…、そうですか。分かりました」




理乃さん…帰っちゃったのか


ちょっと、
理乃さんと話したかったんだけどな



「先生いねぇなぁ…

……ちょっと足、見してみ?」



ベッドに座った私に近づいて
腰を降ろす



…なんか変な感じだなぁ…



「あらあら…また腫れが増してるし。」


陸先輩の手が
なにも履いてない私の足に触れる


触れると激痛が走る




「あっ…ごめん、痛かったか?」




しかめた私の顔をみた
陸先輩が瞬時に手を離す


「はい…、ちょっと」


「…湿布とってくるから…、
ちょっと待ってて」



すくっと立ち上がった陸先輩が
そのまま棚に向かった


その背中を目で追う



なんで陸先輩は胸が痛くならないんだろう

なんで咲坂くんだと痛くなるのかな


でも、



今、陸先輩が咲坂くんだったらな―――