エールミー!

***




半年後




もうすぐ、憧れていた文化祭がやってきます




相変わらず私は理乃さんの
言っていたものに気付くことができない


最近はその胸の痛みで
息切れがおこるくらいになっているのに




最近は嫌がらせが少なくなってきていた


大体、こんな姑息なことは
いつまでもは続かない。

相手にしなければ
ほんの1ヶ月で終わったって不思議もない






「じゃあ、生徒会の出し物はバンドで決定なっ」



「…………は?」



生徒会室のドアを開けた瞬間

赤音会長のでっかい声が耳にひびいた




その言葉にぱちぱち手を叩く陸先輩


今日は文化祭のときに生徒会で出す
出し物をみんなで決める


…はずだったんだけど…




決められちゃってる…!!


「ちょっとちょっとちょっと!

待ってくださいよ!バンドって!

無理ですよ!私何にも弾けないですよ!」



無理だっ!楽器とか弾いたことないし!

私は早足で会長のもとに駆け寄った



「バカだなぁ、京ちゃん。……練習するんだよ」



「そんなかっこよく言われても

会長じゃかっこよくないです!」



「がーーっ!京ちゃん、それはひどい!!」



最近会長の扱いに慣れてきた
先輩なら多少の暴言も笑に変えてしまう
だからなんか、安心して話せる


そんな人だ





「大丈夫。…俺が教えるから」



私の顔を除き込んで咲坂くんが言った



また、どくんと胸を打たれる
まだわからない。この感覚がなんなのか