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「…で、知りたいことって?」




生徒会の話し合いが終わって、

私と理乃さんは帰る前に

駅前のマクドナルドに寄った




理乃さんは、
ちょっと嬉しそうに私に聞いてきた




小さく頷いてから
口を開く




「私…クラスで孤立していて……、

それで友達がほしくて、咲坂くんと出会って……

そのときからずっと、泣くことが多くなったり、

胸の奥底が痛くなったりして

……それは私が咲坂くんと友達になりたいのに、

つまらないことでそれを拒んだりするから、

こんな気持ちになっていたのかなって

思っていました。

…でも、なんとか友達になった今でも、

その気持ちは薄れなくて、

むしろ強くなっていくんです。

……それで、

この気持ちってなんだろうって思ったんです


それと…咲坂くんともっと仲良くしたいのに、

周りの目が怖くて

なかなか近づけなかったりするんです…」




話している間も、
理乃さんは真剣な表情で頷いてくれた



あ…よかった

理乃さんに話せてよかった





「沙田ちゃん…、自分の大切なものは、

自分で守らなきゃだめだよ」



(……大切なものなんか、
以外と近くにあるものなんだ)



「大切なもの…ですか?」



「他人の目線と、咲坂くん。

どっちが大切なの?

………それが解れば、

その胸の痛みも分かるはずだよ」





どちらが……大切?



まだ1回も話したこともないような他人と、


人混みのなかで、私を見つけてくれて、
1番に私を知ってくれて
気遣ってくれる。咲坂くん



そんなの決まってる