***


あの日から、

私はずっと咲坂くんを探すようになった



購買に行くとき、

移動教室のとき、

登校するとき、

下校するとき…


1回も、咲坂くんを探さないときはなかった



彼を見つけるたび、

胸の奥に鉛が乗った、
痛くて苦しい感情になった





クラスでは相変わらず浮いていた。



もうみんなが完全にグループに別れているなか、
私はずっと孤立した




でも、前より苦しくないんだ…、




孤立を感じるたび、


あの言葉が頭に浮かんだから





何となく、私はひとりじゃないような気がした