「俺は、お前みたいなやつ、嫌いじゃないよ。
それと、
お前のことをわかってくれる人が、
絶対現れるから……」
そういって彼は、
乱暴だけど私の目もとを拭った
…あれ?私、まだ泣いていたの?
でも、…さっきまでの気持ちとちがう。
重さがちがう。今はすごく重たい。
なのに、嫌じゃないのは、どうして…?
涙が、またどんどんあふれる
視界が涙でぼやけながらも、
彼の顔を見上げた。
彼はゆっくりと、
私から少しずつ離れて廊下をあるく。
…あ、名前…、聞かなきゃ!
いつの間にか、
これまでにないほど衝動的になっていた。
「待って…!名前はっ?」
咲坂京介、
呟くように彼は言って行った

